ボクらの鎮魂譚 - 9/66

(王道の白か……はたまた実はハデめなのか……)

しかもその黒髪ロングの彼女の脚がCGの美少女か美少女フィギュアか、とにかく美少女的なオーラを纏ったファンタスティック美脚なのだった。

腰から下がまさに前述のそれみたいで否が応でも妄想が捗る。テンションが、うなぎならぬ、寒ブリ百匹上り、だ。

こうなると気分が浮足立ってきてしまうのが本能だ。その場でスキップとかして、この気分をランララランと外に放出したいところだが、今は張り込み刑事の心で我慢、我慢。

(……!)

ぞく――っ、ときた。

さっきと似た、いや、まったく同じ質の気持ち悪い感じ。ぬるっとした空気の塊が肌の細胞の先から入り込んでくる。まただ。

(フヌッ、何の此れしきッ! 見えるッ! 見えるぞォッ!!)

負けるものか、と悪寒を弾き飛ばす。

「……ン?」

即座に立て直したメンタルを、身体の奥底から突き上げるままに、再び渡り廊下へ視線を投じた。……黒髪女子生徒の様子がなんだかおかしい。

彼女は定点の位置から少し手前で立ち止まっていた。
誰かを探すように、きょろきょろと辺りを見回すような仕種を繰り返している。

そういえば、以前保健室に運び込んだ彼女も長さは違えどきれいな長髪を垂らした娘だった……なんて。

(まさか、ネ……)

要らんことを思い出してしまった。腹の奥が冷たい墨汁にじわじわ浸されていく気分だ。

そんなことを考えているうちに記憶の中の不気味な鬱血痕なんかがフラッシュバックしてくる。もしかするとこの娘も今、危険に晒されているのではないか――

『背後に気を付けろ!』

央一は咄嗟に叫ぼうと思った。

でも、それは何だか違う気がして、結局喉から声は出なかった。

「ッぁ、えェーッ!?」

黒髪の女子生徒が走り出した。

「どどどどどーしたン……――ッと見えたァッ!」

少し目を離した隙の突然なことで瞠目したが、走ったことでスカートが大きく揺れてくれるという嬉しいハプニングが起きた。ラッキー!

黒髪の彼女の脚が美しいということは紹介済みだが、パンチラ姿も頭一つ分抜きん出た美しさであった。

とにかく腰以下のフォルムが完成されている。言うなれば、パンツを穿いている尻、ではなく、パンツが乗っている尻。彼女のスカートの中はまさに、パンツがメイン、ではなく、尻がメインディッシュ、なのであった。今まで鑑賞してきた中では稀有である。

この年頃の女の子たちは身を飾ることに心を砕きがちだが、ここまでパンツと尻が調和しているスカート中と言うのは初めてなのだった。

(なあンて言ってる場合じゃあねェッ!)

央一もちらっと視界の端に捉えていた。黒髪のパンツと尻共存娘が走った理由を目撃できた。

(狙いは茶髪のあの娘か――!?)

遅れて第二校舎へ走り出した。

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