第三章 リサーチ アンド チェイス
図書館棟がこの学園の中でいちばんキレイで近代的な建物である。
すべすべの鉄筋コンクリートで頑丈そうながら、読書スペースは明かり窓が設けられ、柔らかな木漏れ日も入る。田舎町には勿体ない。
ということで、学園が休講の日は一般にも開放している。
「ウヒャー、小人だらけだぜ!」
「町の子どもが来るのね、休日は」
絵本や漫画のコーナーには子連れだったり、遊び場を求めた小学生なんかもいる。図書館という静けさからはほど遠い。
「で、何で図書館集合なんだい? ねこちゃん?」
央一と音々子は一階の子供向けコーナーから階段へ向かった。
「この町の歴史を調べるのよ。ひいてはこの学園の丘の歴史を」
「レキシ?」
「そうよ」
階段はシックな黒い表面。しかし歩いてみれば滑りにくく、手摺も付いておりなかなかに万人向けの造りだ。
「あの林の中の異人館は一体何だったのか、知ることが解決への道だと思うの」
「はあん」
「なによ、その気合いの乗ってない返事は」
「いやネ、解決って、俺たちはどこに辿り着くのかと思ってサ」
「……分からないわ」
二階へ上がると広々としたフロア。まるでおとぎ話の中の書斎に、二人は踏み込んだ。

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