この頃になると、さあ忙しくなります。
小さな小さな手と手にかごを抱えて、キコはお母さんのおつかいに行くことになりました。
お母さんに頼まれたのはスダジイとクリ、ギンナン、アケビそれにナナカマド。かごいっぱいに取って来るように言いつけられたのでした。
キコは最近めっきりつめたくなった風にかむりのずきんを取られそうになりながら、森の中を歩いていきます。
木の実がある場所は春にも夏にもつれてこられたことがあるので小さなキコでもへっちゃらです。
キコは春や夏に見た、元気な虫たちにかこまれて咲いていた可憐な花々や、慈雨に打たれて鮮やかにぬれた顔ほども大きな葉っぱを思い出して楽しみになるのでした。足どりは自然ととんとんと跳ねるように落ち葉を進んで行きました。
「どんどんどんぐり、ぎんぎんぎんなん、
くるくるくりと、ぱっくりあけび、
あーかいあかいはななかまど」
キコは歌をうたいながら森を進んで行きます。
途中、お父さんに教えられたきのこを見つけました。
それは食べられるきのこです。
キコはくんくんきのこに鼻を寄せました。ふんわりとした香ばしい匂いがします。
キコはお母さんが作るこのきのこの汁が大好きでした。おもわずよだれが出てきます。
でもキコは首をふりふり、自分に言い聞かせます。
今日はお母さんに頼まれた、スダジイとクリ、ギンナン、アケビそれにナナカマドを取りに来たのです。いくらお母さんの得意なきのこ汁がのみたくても、今日はがまんです。
「どんどんどんぐり、ぎんぎんぎんなん、
くるくるくりと、ぱっくりあけび、
あーかいあかいはななかまど」
キコはまた歌をうたいながら森を進んで行きます。

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